森永卓郎氏のコラム「平穏な心の世界・花開く萌え文化」

日本経済新聞12月27日付「2005年展望・ニッポンのゆくえライフスタイル編」森永卓郎氏のコラム。

「年収300万円時代」の森永氏が寄稿している。
前半はいつもどおり、所得格差が今後いっそう激しくなり、大多数のサラリーマンが年収300万程度に落ち込むだろう、
でも自分なりの価値観をもってライフスタイルを確立しようよ、という話。
しかし後半急転し、「その生きがいとして今後注目なのは『萌え』!」という展開になる。
「萌えは情報技術を生かす付加価値として圧倒的な強さを誇っている」とビジネス的な視点を混ぜた上で、
「萌え文化こそ社会的弱者と呼ばれる層が生み出したのだ」と来る。

要するに金のない奴は金のかからない趣味に興じてくれ、というだけの話で、他にもつい「愛でる小さなもの」であればなんでもいいわけで。
日経で書くのを意識するなら、「萌え」ならコンテンツビジネスと結び付けられるし、盆栽ならエルダービジネスと結び付ければいい。
ただ、萌えを利用して儲ける商売が上がり調子なのは明確で、にもかかわらず「平穏な心の世界」なんてきれいな表現をするのはどうかな。

今朝、会社の新しい取引先に「株式会社虎の穴」というところが加わり、なんとなくぐぐってみたら同人誌通販大手の「とらのあな」のことだった。
決算書がなかったが15年度の業績は94億3千万とある。(多分年商)
同業他社をみてみると、最大手?アニメイトが250億円(グループ総計約380億)。
ゲーマーズ(株式会社ブロッコリ)は決算広告を載せていて、2003年度売上高が82億。
(自分が知ってるのはこれくらい。)
大手書店チェーンの文教堂が534億4,051万円 (2004年8月期)、紀伊国屋が1191億、(2003年8月期)と比較しても悪くない。
むしろビジネス一直線な記事のほうがよかったかも。


森永氏のほかの萌え系解説記事。
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