齟齬(ぼやき)

餓えも恐れも知らぬとぞ 高みに立ちてわれをうち 
的のはずれた弾なれど 見ればまわりは焼け野原

おろかおろかとなくからす あわれあわれとなくからす 
わずかに残るわかれみち きさまになぞはわかるまい 
いい逃げ背中につぶてをば うけて傷をも増やすのか 
おろかあわれの衣をば かむりてとくとく逃げるのか 
いずれのみちをえらべども こころかなしきわれならば 
もう傷うけたくはありませぬ おろかあわれのころもでも 
かむりてとくとく逃げませう