シェイヨルという名の星

シェイヨルという名の星 (ハヤカワ文庫SF―人類補完機構シリーズ)

人類補完機構シリーズ・ シェイヨルという名の星」購入。
コードウェイナー・スミス (ハヤカワSF文庫)

「鼠と竜のゲーム」「第Q81戦争」と読んで3冊目。あと邦訳されていて未読なのは「ノーストリリア」のみ。作者はすでに亡く訳の予定もないので読むのが惜しくなる。
すでに出来上がっている年表の、1シーン1シーンを、特に時系列にこだわらず集めた短編集。「補完機構」「平面航法船」「スキャナー」等等独自の用語が何の説明もなく登場し、ディティールの積み重ねで読者の想像を誘う。
自分はこの、年表の一部を切り取ったパッチワークのような作品集、という形式が好きなようで、このシリーズもその意味で楽しい。印象としてはファイブスターストーリーに似ている。一昨年春、当時出たばかりの11巻(今でも最新刊)を読んではまり、「何か全然話の流れも用語の意味もわからないけど、1巻から読めばわかるんだよな・・・?」と思い全巻集めたがわからないものはわからないままだった。
4作というのは、壮大な宇宙史のディティールを積み重ねるのに十分とは言えないが、謎を謎のまま放置されるのは妙な魅力があり、それがむしろはまってしまう原因なのかもしれない。