アンティーク・レースの手袋

nalo9152005-03-12

以前近代建築オフのときにおすすめしていただいたアンティークショップ、あんだんてに行ってみる。
「原宿の、竹下通りの一本裏の『ブラームスの小路』という恥ずかしい名前のついた、美容院ばかりある小道の、着物屋さんのとなりにあるよ」と教えていただいたとおりにいってみる。
入り口から半ばまでは日本・中国の陶器。中くらいからは古裂、七宝、奥は昭和期の洋食器。ポルトを飲む小さいグラスに心引かれる。化粧品の瓶、手吹きグラス、和紙類。
店も素敵だったが、上品な店主のかたもまた素敵だった。小指の爪くらいの、折り紙でできた何かがあり「これは何ですか?」と聞いてみると熨斗とのこと。
今は、祝儀袋を買うと、盾型の熨斗が印刷されているが、それは本来別の紙で折られたものを貼り付けていた・・・らしい。
ここも、谷中の「イリアス」も、青山の名前のわからない古家具店(キルフェボンの近く。)も、店主のかたの話を聞くためだけにでも行きたいくらい。
よく漫画には夢のようなアンティーク店が出てきて、妖しい店主がいるものだけれど、こういう店に行くとあながち夢や漫画でもないかもしれない、と思う。

一角にレース編みのコーナーがあり、50年代のレース編み手袋を見つけた。一目ぼれ。「手が入ればこれ欲しいんですけど…」ぎりぎり、かな。指は細いほうかなと思うけれど、手首の骨までかぶらないくらい。…でも買った。
手を汚さない仕事をしている私の手を、母は「お姫様の手だねぇ」と揶揄をこめて言っていたが、母上、世の中にはこの手袋がぴったりの、もっと(サイズ的に)可愛いお姫様がいるみたいですよ。