「すばらしい日々」にはまだ早い

盆明けの飛行機は嘘泣きと金切り声に満ちていた。始めは嘘泣きで済んでいてもそのうちそれが効果を発揮しないことのほうにいらだち横隔膜が震えだし本泣きになってくる。そうなるともう止まらない。機内放送の聴診機みたいなイヤホンを突っ込んで思い切り音量を上げてもかき消せない。仕事するほど集中もできなければ寝ることもできん。機内放送で聞いたクレイジーケンバンドの「男の滑走路」のゴージャスなビッグバンド・アレンジは誰によるものなのか気になった。

相変わらずがらがらの大浴場で「すばらしい日々」を歌っていたら珍しく人が入ってきて焦った。こう出張続きだと実際疲れるしなんだか仕事をしている気分になるが、成果やパフォーマンスを考えたらなんの仕事というほどでもない。せめて構築中だけでもVPNを通してくれればそれだけで済むのに。たかだか眠気に勝てずへたれた気分で歌をうたい仕事をしたよな気になっている自分はまだ全く情けない。しかしこういうストイックさが単に自己目的化しても仕方がない。休みがとれたら、人がいないとこへ行こう、かな…。