未明のチャイム

就眠中チャイムが鳴った。時計を見ると5時前だった。さすがに気のせいかと思いまたすぐ眠る。


また鳴った。5時半ごろか。何度も鳴る。ノックもしている。家族にしても電話もせずに来ることはないだろう。いやがらせでも、深夜にしても未明にはしなかろう。


鳴り続けるのでそっと玄関に近づいてみる。人の気配がする。まだ鳴る。待ってみる。しばらく静かになると、ぐりぐりと新聞受けから、日経が押し込まれ床に落ちた。


三度寝をして7時、新聞を取りに行くと、日経の下に朝日が落ちていた。

思うに、誤って朝日を投函し、返してもらうためにチャイムを鳴らし、一回り配り終えて朝日が足りないのでまた鳴らし、出ないので仕方なく日経を投函したんだろうか。
と解ると何ということもないけれど、未明というのは一番訪問には有り得ない時間だと感じる。しかし今日くらい朝日が読みたい日もあまりないのでそれだけはラッキーでもある。