エマ

エマ (7) (Beam comix)
読んでみて、面白かったので一気読み。
基本的に少女漫画なので、絵がきれいだし。
メイドといえば「エロ、グロ、ヲタク」の昨今、読んでいてほっとするよ。
「バジル氏の優雅な生活」を思い出したのも、これもまた「まとも」だからかなと思う。(時代が同じですな)
歴史ものとしていいなと思ったのは、女性の体型をきちんとヴィクトリア朝らしく描いているところ。
コルセットで固めたウエストと、対照的にまろやかな腰。
そこがいいなー。
そろそろ写真が実用化されたころなので、教科書などでこの時代の肖像写真を見ることがあるけれど、
全体的に小柄なんだけど、ウエストと対比しているからか、ずいぶん腰が丸く見えた気がする。

あと、男主人公さんは貴族かと思っていたけど違うんですね。
男主人公の家が、単純に貴族ではなく、成り上がりから必死に上流に食い込んできただけに、
身分を越えること、捨てることに対する反発に深みがあってよい。
田舎貴族でのんびりそだったのに、夫の成功を支えるために社交に積極的になり、ついに疲れ果ててしまう母。
成り上がりの資産家のため社交界に相手にされず、貴族の妻を得て成功したものの、妻を犠牲にしたことに深い後悔を感じている父。
いやはやこの両親あってこそのこの話だと思いますな。。主人公カップルと対等の重みが。