土曜日の散歩

贈りものにするお守りをもらいに水天宮に行った。七五三のお宮詣でに来ている家族も重なったせいか、狭い境内のわりに結構な人出で少し驚いた。しかしこう(比較的)若いカップルばかりが来る寺というのも他に無いだろうなー。そんじょそこらの縁結び寺とは比べ物にならないんじゃないだろうか。
お守りを受けるための行列に並びながら見まわすと、幼児の手を引いて(または抱いて)来ている、3人に見えるが実際は4人、という家族のほうが男女のペアより多く、先週読み返したトゥーサンの「テレビジョン」の主人公一家を思い出した。そこでは妊婦(この場合は主人公の奥さん)の歩くたたずまいを「妃殿下風」なんて表現していたけれど、見回してみるかぎりではあまり妃殿下風でもなく、逆にこうも普段と同じようにさっさと歩いていけるものなんだなぁということに感銘を受けた。「テレビジョン」のなかではその奥さんはとても楽観的で、のびのびとし、泳ぎ、潜水してウニを捕り、旅行をし、ダンスをして(全て4歳の長男を連れて)いて、もしも本当にこんなにのんびりしたものだったらいいんだけどな、と思ったが、水天宮でそれを確認することはできなかった。

そのまま歩き、久々にコレド日本橋へ。セレンディピティで食器を少しだけ見る。際限なく酒器が増えつつある自宅は次に徳利(ガラス、陶器両方)を必要としている。ガラスのものは(いま猪口をもっているところの)菅原工芸硝子、陶器のものは白山陶器「ペンギン徳利」なるものがあり、ペンギンときたら否応無く目がひきつけられてしまうのだけれど、どうも「なんてことないのに美しい」を主張しすぎているような気もして、(プラスマイナスゼロの製品にも感じるところだけれど)保留にして帰った。