大東京ビンボー生活マニュアル

大東京ビンボー生活マニュアル 上

大東京ビンボー生活マニュアル 上

大東京ビンボー生活マニュアル(下) (KCデラックス)

大東京ビンボー生活マニュアル(下) (KCデラックス)

清貧というとまだ「我々は頑張ってます」という感じがあるが、ちっとも頑張っていない。のんきな貧乏、ゆたかな貧乏というものがここにはある。この主人公、金はないし定職についていないし、食っていける程度にバイトをしながらぶらぶら暮らしているのだが、近隣住民に愛され、きれいな彼女がいて、まったく馬鹿にされるようなこともなく、実際結構教養もあり、悪くない手跡で手紙を書き、文学書と小津安二郎をまったり楽しんでいる。もう貧乏とかなんとかいう話じゃないよなぁ。こうなると。ほしくないものを持っていないことは、別にビンボーでもなんでもないのだ。
20年前の作品だが古さを感じない。(景色や物価もそうは変わらない)昔親が買ってもっていたので、ほとんどのエピソードを覚えていたけれど、やっぱり買ってよかった。
あとこのカップルが良いよ。カップルの日常生活を描いた作品を最近ほかにも買ったけど、これが一番スキだなぁ。