6月の乱読期

6月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:2319ページ

弥勒の月 (文芸)弥勒の月 (文芸)
遠野屋救いないな・・・ちょっと辛い。タイトル通りすればあまりにも遠い救い。ところで解けるようにはできていないのでミステリではないと思うんだけどどうなんだろう。
読了日:06月27日 著者:あさの あつこ

ランナーランナー
碧生の「(走ることは)そんなに生易しいものじゃなかった・・・今、身体に降り注ぐ光よりもずっと獰猛で激しい」、杏子の「愛情は美しくも、温かくもない。残虐で、貪欲で、浅ましい。」、千賀子の「健全なんて軽い一言で言い表せるものじゃない」が通底している。それと夕焼けの描き方の美しさが絶品。
読了日:06月27日 著者:あさの あつこ

ジェシカが駆け抜けた七年間について (角川文庫)ジェシカが駆け抜けた七年間について (角川文庫)
また騙された!叙述をさんざん読んでいるミステリ好きの頭を「入れ替わり」「白昼の殺人」「時差・時計合わせ」などのミステリ・ガジェットでさんざんキリキリ舞いさせておいて「そっちかよ・・・!」という痛快感はいつもながら。まぁ、「葉桜」に似てるとか、トリックがフェアかどうかはちょっと微妙。絶対アレを考えてからエチオピア人の長距離ランナーの話にしただろ・・・。読後感はとてもよいです。
読了日:06月27日 著者:歌野 晶午

古道具 中野商店古道具 中野商店
どこが面白いのか全くわからなかった。全員が不思議ちゃんを演じているようで、別に普通の人、という味気なさ。
読了日:06月14日 著者:川上 弘美

無銭優雅無銭優雅
慈雨の舞い上がりきった一人称文に付き合うのがうっとおしいが、中盤以降慣れてからは、ささいなふざけあいを共有することに恋の醍醐味を見るスタイルが興味深い。(「山賊にでもなろうか」に笑った)この作者の作品にしては、だいぶ「アンチ・(山田詠美の)恋愛小説」っぽい。栄がついた嘘はほんとうに責められるべきものだったのかどうかにも考えさせられた。
読了日:06月14日 著者:山田 詠美

スープで、いきます 商社マンがSoup Stock Tokyoを作るスープで、いきます 商社マンがSoup Stock Tokyoを作る
ひどいなこれ。起業本なのに個人的な生活と趣味の自慢が多すぎ。青山育ちヒルサイドテラス住まいとか慶応とか妻がアーティストとか自分も個展をとかアート系の友人が多いとかそういう話じゃなくて、ついてきてくれた同僚や社員の話をしたら?窮地に陥る4章はやや読み応えがあったけど、全体的に「上澄みだけの本」という印象がぬぐえない。おしゃれなところでおしゃれに働きたかったんですね。
読了日:06月08日 著者:遠山 正道

蛇を踏む蛇を踏む
どれも他人の夢の話を聞かされるくらい、奇妙で退屈。蛇は誘惑のメタファーだよなぁと思いながら読んだけど、そもそも誘惑してくるわりにどこへ連れて行きたいのかさっぱりわからないし、それ以前におばさんだし、と、蛇のようにぬめっとつかめない。「惜夜記」はおっさん版アリス?「消える」は意外と面白かった。
読了日:06月05日 著者:川上 弘美

ニワトリを殺すなニワトリを殺すな
「慎重に慎重を重ねて、という言葉は嫌いだ。全てがわかりきったことになるまで意思決定を先送りにしているだけだ、そしてそういうやつに限って失敗したときの責任を逃れようとする」という文にドキリとした。
読了日:06月04日 著者:ケビン・D. ワン,高橋 裕ニ

ギザギザ家族ギザギザ家族
ドタバタ。あんまり本筋とは関係ないけど、どのキャラもあんまり性格が掘り下げられない中、ハンナの「純愛モノ(のマンガ)ってよむとスカッとする。男の人だって格闘マンガやヤンキーマンガでスカッとするでしょ?」というせりふに妙なリアリティがあった。
読了日:06月02日 著者:木下 半太

親孝行プレイ (角川文庫)親孝行プレイ (角川文庫)
全嫁必読。そして全息子必読。どっちかといえば息子である人むけなのだけど、旦那の実家に行ったときに地雷を踏まない(かつ、自分もムカつかない)ノウハウにあふれているので全国の嫁のかたがたはぜひに読んで欲しい。「孫をつれていけばいい、は間違い」をはじめ鋭い指摘が多く、私はこの本でみうらじゅん氏の慧眼に目覚めた。
読了日:06月02日 著者:みうら じゅん

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