Buddy Richの妙なラウンジミュージック「Speak no Evil」

暑苦しい季節に暑苦しい音楽を。

Speak No Evil

Speak No Evil

Buddy Richによるラウンジ系ミュージックというかファンキー系というかなんと言うかおそらくDonard Birdのフュージョン系アルバム的なものを目指したと思われる。はっきり言って珍盤。まずこのエロいジャケット。いかにも70年代ですね。しかし、1曲目のSpeak no Evilを聞くと、「え?大将はどこに?」といいたくなるようなまったり感、ドラム聞こえないよ!しかしながら「お洒落系」とは一線を画すどことなく暑苦しい雰囲気に、バディリッチファンもクラブ系のお兄さんも、ともにガッカリ感を隠せません。というかビッグバンドという編成はお洒落音楽をやるには力みすぎだと思います。その調子のまま(しかしJohn Fadisのハイノートばりばりのソロが入ったりするあたりが若干怪しい)2曲目まで進むのですが、3曲目の「STORM AT SUNUP」でついに大将が我慢の限界に達したようです。「俺の出番が少ないんじゃゴルァ!ソロやらせろ!」「えぇっ今回はクールな感じで行くって決めたじゃないですかー!」と心の中で勝手にアテレコをしてしまいます。このあとSteve MarcusとJohn Fadisのソロが続いて、全くお洒落系でもなんでもない普段のバディになります。しかしバンドとしては明らかにこのタイミング以降活力を取り戻しているので、やはり人間向き不向きというものがあるということでしょう。
ちなみにジャケ裏では、黒帯自慢の大将が空手の胴着を着てヌンチャクを持ってポーズをキメております。このあたりがこのアルバムの実体を示していると思われます。

ところでこのCDを検索していたら、なぜかギャル系のお洋服と雑貨のお店、「ANAP」のオンラインショップに、Buddy Rich のコーナー「『Buddy Rich』関連商品」があることに気づいた。何故だ。店員さんにファンの人がいるのか?!ちょっと友達になりたくなった。でも、紹介されているCDは、持ってるのでここでは買いません・・・。
http://www.anapnet.com/ent/products/Buddy+Rich