今週借りた本(はずれなのでぼやき)

本の雑誌ダヴィンチとかで見た覚えのあるものをざらっと。でも、今読んだところまでオールはずれでした。というわけでぼやきです。でも、「昔はよかったね」人間にはなりたくないから発掘にはげむよ。

モップガール」 加藤実秋 2007

モップガール

モップガール

わけあり物件専門の清掃業者にバイトで入った女の子が、事件・事故現場の清掃をする際に、その事故にまつわる「何か」を知覚して体に異変が起きる、それを沈めるために事件の解決に向かう・・・というネタは面白い。というわけで期待していたんだけど・・・これくらい面白そうなネタならもうちょっと料理してくれ!解けるようにできているミステリではないのはいいとしても、「残された念」と「事件」の関連性は意外性というよりは正直飛躍しすぎていて苦しい。帰着させるまでのストーリーも偶然に頼りすぎだし。キャラクターづけも「特徴を素体に貼り付ける」方式で、主人公の存在感や性格は非常に希薄。ネタはいいのになぁ・・・と思っていたらネタそのものはTVの企画会社が作ってるとか。なんだそりゃ。

「WORK SONG」 鈴木清剛 2008

ワークソング

ワークソング

倒産寸前のボルト工場を親から引き継いだ若い兄妹。音楽の夢をあきらめた兄、享楽的バツ1の妹がそれぞれ金策に走る・・・コメディなのかと思ったら青春小説風でした。たしか「蟹工船」「ワーキングプア」ブームに乗せるような感じで宣伝されていた。が、すさまじい荒唐無稽っぷり。この人ボルト工場とかいったことがあるとは思えない。ツラくて単調そうな仕事ということで適当に選んだとしか。というわけで全く現実感がなく、金銭的な苦労も切実には迫らず、適当に金持ちの知人がおり、音楽の夢と適当にあわせたような展開が進みます。妹と従業員(引きこもり系双子)とボルトをまわすリズムに、音楽にもにた快感を見出していくというところで終わるわけだが、でも、そう思わないとやっていけない、という現実も実際あるんだろうか?「21世紀版プロレタリア文学」?おい、ちょっと、中小企業と不渡りの恐ろしさをなめんなよ。

「はじめての文学 山田詠美文芸春秋編 2007

はじめての文学 山田詠美

はじめての文学 山田詠美

やっぱり読んでおいたほうがいいんだろうか常識的に、と思って挑戦してみたがやはり自分には合わない。文章はキレイだと思う。なんだろうなぁ。自分、あんまり感情に没入するような話は好きじゃないんだろうか。いや、そんなこともないか。エッセイを読んだことがあったけれど嫌な女だとしか思えなかった。小説にもなんだかときどきとても露悪的な自己主張のようなものが出てきてうんざりした。小学生を主人公にすえたものは毒が多少薄かったけれど。でも、そういう抒情なら、西原理恵子のそれのほうが好きだな。でも、このシリーズ企画は短編アンソロジーとしていいと思う。
嫌いな順から→「Crystal Silence」「ME and Mrs.Jones」「アニマル・ロジック」「こぎつねこん」「海の庭」「ひよこの眼」「眠れる分度器」

「ブックストアウォーズ」碧野圭 2007

ブックストア・ウォーズ

ブックストア・ウォーズ

「この本は、働く女性たちへのリアルな応援歌。」(帯より)・・・みんなこんな嫉妬にまみれて生きているのか?だったらつらいな・・・。(女の多い職場にずっといたらこんなもんなのか?)
主人公は40歳の書店副店長と27歳の書店員、どちらも女性。「小フラストレーションと小対立(主人公ふたり)→大フラストレーションの発生(お店がつぶれるかも)→小対立の休戦と同盟→大フラストレーションの解消→小フラストレーションの解消、小対立の和解」
わかりやすい構造だな・・・もうちょっとスカッとするかと思ったがそれほどでもなかった・・・。