1年で映画を24本見る指令1 ヒッチコック「裏窓」

映画って見るのめんどくさいんです。いえ家族は映画好きでしたが。私だけがですね。あ、映画っていっても映画館は行きませんよ。ウチで見るビデオとかDVDとかです。なんというか1時間半もテレビの前に座っているのが苦痛なんです。あと白黒の、いわゆる名画ってやつは退屈そうでなりません。アメリカの古典とかヨーロッパ映画とか知ってるとかっこいいような気がして挑戦したんですけど見終わって返却したことはおろか再生したこともあまりありません。TSUTAYAをうろうろして借りるのに至らないのが基本です。
映画の話題が全く合わない、そんな自分にしびれを切らした連れ合いが「1年で映画(なるべく名画)を1年で24本見ろ計画」を立てたのでおとなしく見ることに。というかまず選ばなくて良いというところがありがたいです。

足を怪我したカメラマンが暇つぶしに眺める隣家の窓辺、彼が見るのは人々の日々の生活の機微と、ある疑惑・・・

裏窓 [DVD]

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見た人も多いと思うけどネタバレ注意で。
なに?この素直すぎる展開!!この映画ってサスペンスじゃないの?!怪しそうな男が実際犯人でしたって一体どういうこと?!

窓から眺める光景だけから、そこで行われているらしき事象を推理する、「視点の限定(もっと一般的にいえば情報の限定)」という試みは大変興味深い。
でも、「限られた視点」から眺めたものは、360度から眺めたものと比べて、偏り、歪みが生じるのではないか?当たり前だけど、もし「トイレの裏窓」だったら、その隣人のトイレに関する事柄しか知りようがない。
裏窓から眺めた彼、彼女の行動が不思議で、疑念が沸いたとしても、もしドアから眺めればなんということはない普通の行動なのではないか?
だから、いざ潜入するというとき、この視点の転換があるのではないか?ということを期待していたんだけど・・・どうも本格推理の形式に毒されていたみたい。
ずっとどんでん返しを期待しながら見ていたので、「怪しかった人が悪い人だった」という身もふたもない結果で映画が終わったことにしばらく気づかなかった。
あと、あきらかに場面にそぐわない超絶美人を、単なる「好奇心の強いお茶目なおてんばお嬢様」に使うなよ!美しすぎて、主人公とそぐわなすぎて、絶対ウラがあるに違いない、きっと彼女が潜入することによって事件が新たな側面を見せるに違いない!と思っていたのに・・・ 監督、お前が美人好きってだけなのかよ。