ヴェルナー・パントン展 

前半は椅子が並べてあるだけで退屈。目黒の家具屋や隣のビルのカルテルにでも行けば実際に座れるのに、なぜ有料で「触るのも座るのも禁止!」で椅子を見なくてはならないのだ。
本番は靴を脱いでからです。

なんといってもこの展示会は「Phantasy Landscape」の実物に尽きる!!
赤から青のグラデーションの輪っか状のソファが連なって洞窟のような空間ができている。
凸凹に転がるのも良いし、低いくぼみに隠れるようにもぐりこむのも楽しい。押入れや木のうろ、公園にあるドーム型児童遊具で感じるような、「すっぽり隠れる楽しみ」の感覚がたまらない。
自分に合ったへこみにすっぽりと入っていると、原初的なよろこびでわくわくすると同時に不思議な安心感がある。
家にひとつ、こういうゴロゴロするためだけの部屋があったらいいなぁ。
おなじ主旨の「3-D Carpet(こっちは平面)」 でゴロゴロしながらパントンに対するインタビューや家具見本市のプロモーション・ビデオ(だと思う)を見るのもいい体験だった。
照明、壁紙、椅子などをいくつか集めてコーナーを再現したところもあったが、もっと圧倒的に/統一的に(integrated whole)見たかった。やっぱり椅子を1つ見てどうとか評価するのではなくて、このすさまじい世界観こそを楽しみたい。

  • パントンに対するインタビュー(映像)が非常に挑発的だった。「求めているお客はいるのか?」「(自分のことを)成功したと考えているか?」など喧嘩を売っているのかという勢いで挑発的だった。斬新過ぎたがゆえの(いまでも十二分に斬新だが)当時の反発なのだろうか。
  • 観覧時間(祝日の夕方)によるものなのかもしれないが、若いお客さんしかいなかった。60年代くらいに流行したのに、その年頃にインテリアを購入していた世代が懐かしんで来たりしないのだろうか・・・70年に30歳だったら今70歳?ちょっと無理か。