谷口吉生のミュージアム

@東京オペラシティ http://www.operacity.jp/ag/
ニューヨーク近代美術館巡回展
模型の展示を中心に、新生MoMAと、彼がこれまで手がけた美術館等公共建築の紹介。

どっぷり建築付けツアーの最終目的地。新生MoMAが見ものの展示会だけれど、他のミュージアムのほうに心惹かれた。
水辺に建っていることが多く、借景のように使っているのかなと思いきや、ギリギリまでそれらの風景は見せない。考えてみれば、綺麗な海がさんさん見えていたら、美術品に陽が当たってよろしくないし、だいたい鑑賞に集中できない。ひととおり鑑賞が済んだところで突然外景が見えるような設計になっていて興味深い。

美術館建築の要素として漠然と思いつくのは、「展示品の個性を妨げない」「さまざまなパーティションの置き方が可能」「警備・安全性」「採光・保湿・温度管理が可能」「絵画以外のさまざまな表現作品を保管・展示できるスペース」があるかなと思う。繊細で美しいファサードと「水の利用」がどの作品にも特徴的で、明るく節度のある空間を提供していると思う。

そんな美術館展示のなかで異色だったのは、「広島市環境局中工場通路ギャラリー」。これだけごみ処理場である。
ごみ処理場の焼却炉が並ぶ中を、ガラス張りの通路が貫いて、その通路脇には植樹されている。
(写真はこことか。)
工場のメカに心躍るタイプの人間にはたまらない!!!なぜここまで?と思うほどのサービス精神に驚く。こういうところに社会科見学に行けたら年齢とわず大興奮だと思う。出張の際にどうにか寄れないものか。

プロジェクタを多用した展示方法は、時間の移り変わりによる建物の見え方の変化や、視点の変化をうまく見せてくれていて楽しかった。(ウェブサイトのフラッシュでもちょっと見られる)とりあえず近いところから、「日暮れの法隆寺館」など訪れてみたい。