ラストショウ:細谷巖アートディレクション展 @ggg

http://www.dnp.co.jp/gallery/ggg/
「男は黙ってサッポロビール」の方ですね。
タイポグラフィと抑制の効いた写真との組み合わせが手堅い印象。(特にロゴが、とか、特に色が、というのではなく)
「全国児童福祉大会」の、「児童憲章」と「きょうも・・・太一は学校に来ない」というコピーと子供の写真を組み合わせた作品、1959年という時代でデザイナーの彼が伝えたかったことを感じる。
かわって完全に商業的な、サッポロビールの「結論が出ました。サッポロビールは最初のうまさが持続する。」の商品を見せない(飲み終わったグラスだけ)広告もよかった。


入り口にかけてある言葉にじんときた。
「1954年、18歳の頃。
とにかくうまくなりたかった。
うまくならないとプロのデザイナーとして生きて行けないと思った。
しかし、
うまくなると言っても、どうしたらうまくなれるのか、とても焦った。
そして、うまくなるためには、デザインだけではなく、絵画、映画、音楽、文学、さらには、人間のこと、世界のことなど、自分がすばらしいと感じられるものを沢山、見ること、知ることが大切だと先輩たちに教えられた。」

18歳、この意思。


地下の新作、これまで彼がメモしてきたいろいろな言葉をグラフィックと配置したものは、どうも説明過多、というか説教臭く感じてしまった。前半の作品が非常に研ぎすまされていた故か。