バディ・リッチ俺様インタビュー(前)

バディ・リッチのライヴ版アルバム「WHAM!」には、Modern Drummer Magazine 誌によるバディへのインタビューがちょっとしたオマケとして載っている。
内容はあまりにも、世間で言われているところのバディのイメージそのまま(俺様、ジャイアン、親分、大将)なので、このMD誌もしくはバディ本人が意図的にキャラを作っているんじゃないかと思うほどだ。
内容も割と知られたエピソードについてのものだが、しかしそれはそれなりにバディらしくてさもありなんという感じで面白い。参考訳を。(口調は冗談です。)

MD: どちらのご出身ですか。
BR: ブルックリン。
MD: 両親がボードヴィル(寄席芸人)で、幼い頃あなたもかなり上手いタップダンサーだったというのは本当ですか。
BR: ああ、その通りだ。そうだったな。
MD: 生い立ちについてお伺いしたいのですが、これまでレッスンを受けたことや音楽学校に通われたことは?
BR: 無いね。レッスンを受けたことなんて無いよ。音楽学校に行ったって言えば、知り合いに会いにバークリーのそばを一回通ったかな。
MD: 相当練習なさったでしょうね?
BR: いや、ほんとの練習ってのはしたことが無いね。する機会に恵まれなかったからな。人生ずっと仕事だよ。ずっと仕事でドラムを叩いてきた・・・で、今は、怠け者になっちまって、そんなことしてられるかって感じだよ。他にすることがあるから・・・まあ、マーシャルアーツの練習とか、車いじったりとかな。
MD: もう少しそれに力を入れてみよう、なんて思いませんか?
BR: いや、思うに、練習すればするほど上手くなるなんてのは迷信だよ。演る以外に上手くなる方法は無いね。部屋でドラムセットの前に座って一日中基礎をさらって、速く叩こうと練習したり、まあそんなことはできるだろうけど、でもバンドと一緒に演奏を始めるまで、技術は学べないし、味の出し方もわからなし、バンドと一緒に、バンドのために叩くってことがどういうことなのかも、実際に演るまではわからない。
だから、練習ってのは、特に何か仕事を、まあたとえば4ピースのバンドとか、仕事を演れたそのあとにやれば上達する機会があるようなものだ。それとまあ、あと、練習ってのは、退屈だよな。教師ってのは生徒に一日4時間も8時間も勉強しろって言うけど、やりたいことを1時間でできないなら4時間でもできないだろ。
MD: あなたの演奏に影響を与えた人はいますか。どんなジャンルの音楽ですか。
BR: あぁ、多分(ベニー?)グッドマンだな。それと Cosaloma のバンドにまず影響を受けた。それともちろん、カウント・ベイシー、それと30年代後半から40年代初めの、全部って言う位の黒人バンドかな。奴らはドラマーだけにじゃなく、誰に対しても影響力を持っていた。ジャズの世界全体にだ。本当に創造的で、どいつも他の奴とは全然違っていた。
(続く)
Wham